設立理念

 2007年、日本はどの主要国にも先駆けて超高齢社会(65歳以上の割合が21%以上)へ踏み入れました。この五人に一人という高齢者の比率は今後2050年にかけ三人に一人以上(65歳以上の割合が35.7%)になると見込まれています。
 障害者福祉においても、原則一割の応益負担を柱とした障害者自立支援法が、施行よりわずか4年で廃止されるなど、混迷しています。
 高齢福祉、障害福祉、日本ではいずれの方向性についても決して見通しは良いとはいえず、その道のりは平坦でなく、多数の困難が待ち受けているのは必至と思われます。

 しかし、福祉は人々の生活の根本をなすものであり、必ず誰かがやらなければならない仕事です。日本の福祉が、本当に生き残るためには何をすれば良いかを考えたとき、私たちはこれまでのように国や自治体からの方針、指示をただ待つだけでは、駄目だと考えました。
 「日本の福祉」を作るために本当に必要なのは、実際に福祉に関わる現場の従業者、事業者、そして利用者からの問題提起と、情報発信にとどまらない行動、アクションです。

 それを実現するために、当機構は福祉の従業者一人ひとりに向けた研究発表の場の提供(勉強会や講演会の実施)や、福祉の現場の声を反映させた社会基盤の提供(施設運営や福祉スペースの貸与)、地域の住民へ向けた介護福祉技術、知識の提供と情報交換(講習会の実施)などを通じ、福祉の現場から、地域の現場から、「日本の福祉」の在り方を考え、問い、試行錯誤しながら、福祉のあらゆる「縁」を繋げ、地域で幸福に生きるための有効な社会資源の一つとなることを目的として、設立されました。

特定非営利活動法人 福祉のえんネットワーク